【安曇野ちひろ美術館】いわさきちひろ×佐藤卓=展

7月17日からはじまっている

<企画展>―はじめてみる、ちひろの世界。― いわさきちひろ×佐藤卓=展

のブロガー特別鑑賞会に「安曇野ちひろ美術館」へ行ってきました。

佐藤卓さんと言えば!

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そう、「明治 おいしい牛乳」をはじめ、「ロッテ キシリトール」や「千鳥屋 チロリアン」のデザイナーさんです。
”特別鑑賞会”の名の通り、今回の企画展を佐藤さんご自身の解説を聞きながら見ることができるとっても贅沢な時間でした。

まず、今回の企画展を開催するにあたり、展示されていないちひろさんの作品をたくさん見たところ、佐藤さんが一番惹かれたのが「線」だったそうです。
ちひろさんが、「人に見せるために書いていないもの。迷いの中で表現を模索している」スケッチ作品を見ている中で、これを部分的に取り出したり、パターン化させるとおもしろいんじゃないか?と出来上がったのが、こちらのバナー。

chihiro001いわさきちひろ×佐藤卓=バナー(2014年)

欲しい!(笑)
このバナーの元になったスケッチも廊下に展示されていて、ちひろさんの日常が垣間みれるかわいらしい作品でしたよ。

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そして、展示室前の廊下には、学校の机がずらり。
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さきほどのちひろさんのスケッチの部品だけが書いてある用紙があって、そこに「各々好きなイラストを書き足してください♪」という企画。
小さい娘ちゃんを連れた親子がさっそく描いてました。

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素敵な作品は、こんな風に壁に展示されます。
みなさん短時間で描いたとは思えない力作です。

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そして、展示室の入り口にはこれまた佐藤さんの遊び心が♪

ちひろさんの作品に自分も入ってしまおう企画です。
佐藤さんの見本。(笑)

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作品を鑑賞するだけではなく、参加型とすることで、一気に作品に親近感がわきますね。
ここで撮られた作品達は、こちらから見ることができます。

さて、展示室。
最初のお部屋は、佐藤さんが選んだちひろさんの代表作。
後に、実験室と称した「いわさきちひろ×佐藤卓=箱」で使われている作品達です。

次の展示が、ちひろさんの膨大なスケッチの数々。
佐藤さん自身も興奮気味に話してくれましたが、本当に鉛筆1本で描いているとは思えない描写力なのです。
太い線から細い線まで自由自在に操っているのですが、それは多分、頭で分かっているような技術ではなく、手が勝手にそう動いてしまうのでしょうね。
ここは、かわいい作品も多くて、見応えがありました。
私は、園バスの作品に釘付けでした。子供用Tシャツとかにして欲しいかわいさです。

そして、「いわさきちひろ×佐藤卓=箱」
いわさきちひろさんの世界を、佐藤さんが箱に閉じ込めた3D空間の展示。
閉じ込める、というと語弊があるのですが、絵ってこういう飾り方もあるんだなー!と目から鱗の作品達でした。
ちひろさんの作品が、佐藤さんの手によって、奥行きが広がり、そこに空気がふわりと漂いはじめるような、日常により溶け込み、新しい時を刻みはじめたような、そんな不思議な感覚を覚えました。

こちら、じっくり作品見過ぎていて、せっかく今回の特典で写真が撮れるはずだったのに、一枚も撮れないまま終わりました。
でも!みなさんにも是非、会場に足を運んで、自分の目で見て感じてほしい空間でした。
ちなみに、ここの照明は、照明デザイナーの面出薫氏によるものだそうですよ!

この展示での解説で佐藤さんがおっしゃいました。
「変えてはいけないことを大切にすると共に
常に変化を恐れない、ということも大切だと思うのです」と。

確かにこれはちひろさんの作品だけれど、佐藤さんの手によって新しい作品に生まれ変わって、新しい見方をすることができたり、新しい世界にバージョンアップされることは、画家冥利につきるのではないでしょうか?
そして、やっぱりベースの想いがしっかりあるからこそ、ちひろさんの作品もこうして新しい世界を受け入れることができるのでしょうね。

その後の佐藤さんの「デザイン採集」の展示も素敵でした!

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あれもこれも、佐藤さんの作品なんだ!と思うこと請け合い。
佐藤さんご自身も「ごく日常に寄り添うことを大切に」デザインしているそうで。
でも、デザインって特別なことじゃなくて、ちょっと視点を変えてみることやストーリーの大切さ、そしてその物語をちょっと隠した遊び心のあるデザインにすることで、深みがでたり、人の心に入っていったりできる。
特に佐藤さんは、隠し技が好きなようで、今回のデザイン採集の中にもちょこちょこと隠れたストーリーがありましたよ。
佐藤さん曰く「何でもかんでもわかりやすくすればいいわけではない」と。

確かに、知ってることをわざと言わない美徳もありますよね。
そして、分かる人にだけ分かればいい、ということも。

今回の鑑賞会、佐藤さんの作品にもっと触れてみたいなー!と思うと同時に、やっぱりちひろさんの世界もとっても好きだ、と再確認しました。
1人でも多くの方に見てもらいたい展示会であるとともに、やっぱり、1人でも多くのお子様に見てもらいたいな、と思いました。

※記事に掲載している写真は、美術館の許可を得て撮影しております。

<企画展>―はじめてみる、ちひろの世界。― いわさきちひろ×佐藤卓=展
2015年7月17日(金)~9月23日(水・祝)
展示室1・2、多目的ギャラリーほか

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佐藤卓 明治 おいしい牛乳(2003年)

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